要素その2_家には、あったかいセーターが必要。

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住み心地と最も直結するのが「家の断熱性能」です。

日本は季節によって気候の変化が激しく、夏は高温多湿で冬は冷え込みます。
住宅にとっては過酷な環境と言えます。
暖房や冷房を切った途端に、寒くなったり暑くなったりするような家では快適に過ごすことは出来ませんし、光熱費負担も増えてしまいます。
一年中通して、家の快適性を高めるには建物の断熱材にこだわり、必要な厚みを持たせて断熱性能を高めることが重要です。
家は、あなたの代わりに暑さ寒さを受け止めているのです。
「断熱材=家のセーター」。
これまでの日本の多くの家は、薄っぺらなセーター(断熱材)で無防備なものでした。
これがドイツを始めとするヨーロッパ諸国に比べて、日本の家の寿命が半分以下である理由です。
とても残念ですが、日本の建築家や工務店、住宅メーカーの中には
「日本は温暖な気候だから、断熱材はそこそこでいい。」
という間違った情報を信じている人が沢山います。

何百年も続く神社仏閣等の木造建築は、建物を長持ちさせるために柱や梁等を露出させ風通しの良い造りとなっていました。
日本の高温多湿な環境が部材を腐らせやすく、それを防ぐためには逆に風通しを良くしなければならないという考えに基づいた先人たちの知恵です。
現在の住まいは、技術の進歩とともにプライバシーや耐震性向上の為に壁が増え、省エネやCO2削減対策等のために断熱材が入れられており、エアコンを入れさえすれば、暑さや寒さから解放されるようになりました。
しかし、断熱材の導入が始まったと同時に、昔の人たちがあれほど気にした湿気対策が忘れ去られるようになってしまいました…。
残念なことに日本では、大工さんの片手間として断熱材が施工されているのが一般的なのです。
その結果、湿気対策への知識不足により壁の中にカビが発生して柱が腐食します。
そもそも夏涼しく、冬暖かいというのは自然の摂理に逆らうこと。
そして、壁の中の結露は温度と湿度の物理特性を踏まえれば、当たり前に起こる問題なのです。
だからこそ、壁の中に湿気がこもらない工夫が必要です。
ところが、建築物理学をきちんと学んでいない工務店や建築家はカビだらけになった壁の中を見て、
「昔はカビなんてなかったのに、断熱材のせいでカビが生えるようになった。」
そんな風に考え信じ込んでしまいました。
現在は、しっかり断熱を行いつつ湿気を通す素材を使用することが技術的に可能です。
建物にあったかいセーターを着せる。
これは絶対に必要なことなのです。

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