要素その7_エネルギーパスで、家の偏差値を知る。

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建物の設計が終了したら、必ず「エネルギーパス」で家の燃費性能をチェックをしましょう。

これまで述べてきた1から6の要素がしっかりと盛り込まれているかを確認するのが「家の偏差値」であるエネルギーパスです。
せっかく建てるのですから、偏差値の高い家を選びましょう。
日本では、ほとんど聞くことのない「エネルギーパス」という言葉。
住宅先進国のドイツでは、40年以上前から当たり前のように住宅の燃費性能チェックが行われてきました。
1977年(第一次オイルショック)以降、家の燃費計算をしなければ住宅の確認申請が下りなくなりました。
さらに、2002年には家の建築・売買・貸借時にエネルギーパスを求められたら、表示しなくてはならないことがドイツ国土交通省によって義務づけられました。
ちなみにEUでは、2008年からすべての国で義務化されています。
日本では、一般社団法人日本エネルギーパス協会が唯一発行しています。

「エネルギーパス」とは、家の燃費計算書です。
周囲の気象条件や風の流れ、周辺建築物の高さ、使用している材料などからあなたの家が1年間で「冷房」「暖房」「換気」「給湯」「照明」にどのくらいのエネルギー量が必要かを算出して、年間の光熱費までも明示される仕組みです。
もし、低燃費住宅に必要な1から6の要素が守られていない設計のままエネルギーパスで燃費計算をすると、とてつもなくエネルギーを浪費する家としての評価されます。
さらに、エネルギーパスを用いて燃費計算を行うことで、家の問題点を修正することが出来るというメリットもあるのです。
車よりも遥かに重要な、家の燃費。
今、車や家電には必ず「燃費表示」がされています。
燃費の良いエコカーや電化製品は飛ぶように売れています。
あなたも車を選ぶときには燃費が気になるはずです。
ではなぜ、一番高い買い物である「家」については燃費の確認をしないのでしょうか?
これは住宅業界としての意識欠如であり、大きな問題です。
あなたが買おうとしている工務店や住宅メーカーの担当に質問をして下さい。
「私が買う家の燃費は?」
それが答えられない住宅メーカーから家を買うのはとても「危険」なことだと認識して下さい。
ここで誤解のないように説明します。
「光熱費が年間10万円です。」という回答は燃費でなく年間光熱費のことを言っています。
これは、自動車に例えると「一ヶ月に1万円くらいのガソリン代」と言っているのと同じ。
一ヶ月にどのくらいの距離を走ったかが重要ですし、燃費がいいかどうか公平な判断は出来ません。
同じ一ヶ月1万円でも、100㎞走ったのと300㎞走ったのとでは、燃費は全然違います。
年間を通じて快適に過ごした光熱費が10万円だったのか。
それとも、暑さや寒さを我慢してギリギリまで節約をした結果10万円なのか。
共通の条件のもと、公平に評価をしないと低燃費かどうかを測ることは出来ません。
その為の共通の「ものさし」として、「エネルギーパス」は開発されたのです。

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